ファイブマン、ジェットマン、ジュウレンジャーの視聴率の資料(月刊ニュータイプより)

ジュウレンジャー視聴率はこちら→  https://w.atwiki.jp/shichouseiko/pages/62.html
ジェットマン視聴率はこちら→ https://w.atwiki.jp/shichouseiko/pages/61.html

ジェットマンの前番組のファイブマンの最高視聴率は13.3%で、ジェットマンの最高視聴率12.0%を上回っています。
ファイブマン視聴率はこちら→ https://w.atwiki.jp/shichouseiko/pages/60.html


ジェットマンジュウレンジャーは平均視聴率は同じですが最高視聴率、最低視聴率はジュウレンジャーが上です。
その上、ジュウレンジャーはおもちゃの売り上げも記録的なヒットをしました。

また戦隊シリーズ最低視聴率を出した番組は『激走戦隊カーレンジャー』です(25話。1.4%)

カーレンジャー視聴率はこちら→  https://w.atwiki.jp/shichouseiko/pages/66.html

戦隊シリーズの人気は『超力戦隊オーレンジャー』と『激走戦隊カーレンジャー』で再び低迷し
放映時間帯の変更でやや持ち直し『百獣戦隊ガオレンジャー』で人気が再燃しましたが
ガオレンジャー井上敏樹は参加していないことも重要です(ガオレンジャー白倉伸一郎も不参加)。

(リンク先の視聴率が掲載されているサイトは、
当時でた『月刊ニュータイプ』(KADOKAWA)という雑誌に掲載された視聴率を情報源にしたサイトです。
当時は現行の実写特撮作品の視聴率を月刊ニュータイプは毎月掲載していました。)

 

※この記事はTwitterワンダバステーション』(@2010nikoniko )の【定期 ジェットマンの問題点(16)】での資料面の補足をしている記事です。

 

ジェットマンについての考察(戦隊の人気はジェットマンが回復させたともいえないことや最終回の問題点など)

※文中敬称略。

東映スーパー戦隊シリーズの2022年度の新作、『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』が発表になりました。
『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』の初回の脚本は井上敏樹が担当するそうですが、それに伴ってなのでしょうか、
井上敏樹が最初にメインライターとして参加した『鳥人戦隊ジェットマン』が、東映公式YouTubeで流れてますね。

ジェットマンは内容的に色々と変なところがあり、ジェットマンの最終回は、凱(ブラックコンドル)が刺されたとき、刺されたまま結婚式場に行くのですが、なぜ病院に行かないの?という疑問もわく雑さがあります。無理矢理に衝撃的なラストにもっていった感がありました。この点は、とある情報系のテレビ番組(日本テレビ人生が変わる1分間の深イイ話』 2010年10月11日放送)で取り上げられ、お笑いタレントが突っ込んでいたそうです。マニアではない外野の人間が冷静に見れば、このお笑いタレントのようにジェットマンの最終回の筋立てに無理があることに気づくのが普通と思います。

雷太がホワイトスワンへ好意を示す回(22話)がありますが、これは設定上の混乱で、雷太は9話で幼なじみの女性とすでに許嫁のようになっているという設定があり、この設定と矛盾することからホワイトスワンへの好意を示したのは、この回のみで終わっています。
グレイがマリアに好意を持っているという設定も後から突然追加された感じでした。
また、香(ホワイトスワン)と凱(ブラックコンドル)の仲が悪くなる過程が、なぜか端折られており、わずかしか触れられないまま、最終回で香と竜(レッドコンドル)が結婚するという展開も雑でした。

さらにジェットマンは、敵組織バイラムの敵幹部のラディゲが、
人間の葵リエを洗脳してマリアという幹部に改造するのですが、
なぜそんなことをしたのか理由が説明されておらず、
この点も、単に雑なだけのように思えます。
(色々と後付けで考察する人はいますが。
小説版のジェットマンではこの点を気にしたのかリエを洗脳してマリアにした理由の
設定が足してあります。)

またジェットマンの1話は、バードニックウェイブが、たまたま人間の若者にあたるのがご都合主義で無理があり、当時から「老人に当たったらどうなるのか」「地面や建物になぜ当たらないのか」「動物にあたっていたら?」と気になりました。お話の発端からかなり無理がある設定だと思いました。

ジェットマンは新型ロボが登場するなどのイベントがない普段の話は、レギュラーの人物の恋愛関係のドラマが話に絡まないか、わずかしか絡まない回がかなり多く、それらの回は他の戦隊でやってそうな話が多いです。
(メインライターの井上敏樹の執筆本数があまり多くなく井上敏樹が書いた話でないとレギュラーの人物の恋愛関係のドラマが進展しないので)

本当は井上敏樹が不参加の『爆竜戦隊アバレンジャー』のほうが恋愛相関図が複雑でセックスシーンまであって過激なのに、
いまだにジェットマンの評価が神格化されているとは驚きです。

アバレンジャーは、五角~六角ぐらいの関係の恋愛をえがいています。
アスカ(アバレブラック)とマホロ(敵エヴォリアンの幹部ジャンヌ)は婚約者で、仲代(アバレキラー)は
ジャンヌに好意をもち、
リジェ(リジュエル)は仲代がすきなので、この4人は四角関係です。
で、それに加えて樹らんる(アバレイエロー)がアスカに内心好意をもっていて、
さらに敵の首領デズモゾーリアがマホロをレイプしてリジェを出産させたということなので、
六角関係ぐらいの恋愛相関図になってますね。

さらに、アスカは浮気してたかもしれないという描写もあり、そうなると、
7角ぐらいの相関図になってます。
後に二人の間では、デズモゾーリアがマホロを無抵抗にするために見せた幻覚
ということになってますが、完全に断定されたわけでもなく、ほんとに浮気した可能性もあります。
(44話において、ほんとに浮気していた可能性があるかのような描写がある)

それで、ベッドシーンがあるんですからアバレンジャー
ジェットマンを超えてるといえるんですが、
いまだにジェットマンが最高とかいわれるのがよくわからないですね。

ジェットマン井上敏樹がメインライターでしたが、
井上敏樹は現在東映の取締役の白倉伸一郎のお気に入りということで、
東映は過剰に井上氏を強調して宣伝する傾向もあると思います。

井上敏樹は、他の脚本家と比べてそれほど突出しているとは思えないのですが、
なぜか一部の特撮ファンに井上敏樹の作品だけ過剰に意識する傾向も見られます。
いい例が、『超力戦隊オーレンジャー』の第15話で、この回は『秘密戦隊ゴレンジャー』の第73話(この回は上原正三による脚本)にかなり似た話ですが、
一部の日本の特撮ファンに過剰に高く評価されている傾向があります。

特に、井上敏樹は、日本で誹謗中傷やヘイトスピーチだらけで評判が悪いことで有名な
2ちゃんねる」という匿名掲示板に多く書き込んでいる
日本の特撮ファンに強く支持されていました。その影響が今でも残っているとも考えられます。

スーパー戦隊の人気はジェットマンの前作『地球戦隊ファイブマン』の後半から持ち直してきており、
ジェットマンの次回作の『恐竜戦隊ジュウレンジャー』の方がグッズの売り上げや視聴率も上であり、
ジュウレンジャーには井上敏樹は1本しか脚本を担当していないため、
そうなるとスーパー戦隊シリーズの人気の盛り返しは、
井上敏樹一人やジェットマン1作の功績ではないということになります。

ジュウレンジャー視聴率はこちら→  https://w.atwiki.jp/shichouseiko/pages/62.html
ジェットマン視聴率はこちら→ https://w.atwiki.jp/shichouseiko/pages/61.html

ジェットマンの前番組のファイブマンの最高視聴率は13.3%で、ジェットマンの最高視聴率12.0%を上回っています。
ファイブマン視聴率はこちら→ https://w.atwiki.jp/shichouseiko/pages/60.html


ジェットマンジュウレンジャーは平均視聴率は同じですが最高視聴率、最低視聴率はジュウレンジャーが上です。
その上、ジュウレンジャーはおもちゃの売り上げも記録的なヒットをしました。

また戦隊シリーズ最低視聴率を出した番組は『激走戦隊カーレンジャー』です(25話。1.4%)

カーレンジャー視聴率はこちら→  https://w.atwiki.jp/shichouseiko/pages/66.html

戦隊シリーズの人気は『超力戦隊オーレンジャー』と『激走戦隊カーレンジャー』で再び低迷し
放映時間帯の変更でやや持ち直し『百獣戦隊ガオレンジャー』で人気が再燃しましたが
ガオレンジャー井上敏樹は参加していないことも重要です(ガオレンジャー白倉伸一郎も不参加)。

(リンク先の視聴率が掲載されているサイトは、
当時でた『月刊ニュータイプ』(KADOKAWA)という雑誌に掲載された視聴率を情報源にしたサイトです。
当時は現行の実写特撮作品の視聴率を月刊ニュータイプは毎月掲載していました。)

ジェットマンというと、トランザが精神崩壊するという展開が話題になりますが、
同様の展開が先に『超獣戦隊ライブマン』でありました。
ドクターオブラーが仲間内から利用されたショックで
精神崩壊して車椅子生活になってしまうという展開でした
(第21話。この回の脚本は曽田博久)。

 

繰り返すようですが、これらのことから、
スーパー戦隊シリーズの人気の再燃は、
井上敏樹ジェットマンの功績ではないということになると思えます。

もし、井上敏樹の参加によって、
それ以降のスーパー戦隊が変わった点があるとすれば、
必ず毎回、戦隊のメンバーが全員変身しなくてもよくなった、
という点が変わった点といえます。
また、1〜2話にヒーローを全員登場させない、という点も
それまでの戦隊から変わった点といえます。
これらの点は、あとのシリーズに引き継がれており、
そういった構成面での仕掛けのアイデアを提供した点は確かに
井上敏樹の功績かもしれません。

しかし実は『ジャッカー電撃隊』の第34話(脚本は上原正三)では
戦隊のメンバーがビッグワンしか変身しないため、
戦隊のメンバーが全員変身しない回はジェットマン以前にも前例があるといえ、
そうなると、やはりジェットマンが最初とはいえないということになります。

また、メンバーが1話で全員揃わないという点は、
超獣戦隊ライブマン』は5人全員が揃うのが中盤なので、
この点ではライブマンが先ともいえます。
ライブマン放送終了直後の吉川進の雑誌『宇宙船』でのインタビューで、
ライブマンのメンバー増員は最初から計算してやった、との発言もありました。
(当時、吉川進は東映のテレビ事業部企画営業第二部部長で、
東映の実写特撮作品を全体的に統括する立場にあり、
ライブマンも吉川進はOPやEDにクレジットはされていないものの関わっていた模様。

戦隊ヒーローのレッドが敵側の女性と恋愛関係にあるというのは、
光戦隊マスクマン』が最初(レッドマスクとイアル姫)で、
ジェットマンのレッドホークとマリアの設定は二度目ということになります。
ジェットマンのレッドホークとマリアの設定は
この『光戦隊マスクマン』の設定のバリエーションのように思います。
本来は、内容的にはこの『光戦隊マスクマン』が革新的な作品であり、
ジェットマンはそのバリエーションであり、スタッフに若手のスタッフを
大幅に起用したことが改革だったと思えます。
(そうはいっても監督は雨宮慶太以外はベテラン監督で固められていたのですが)

※2022.02.06追記:メンバーが全員変身しない回が『ジャッカー電撃隊』にあるということを
読者の方(ワンナイト様(@FM4FGDbCyPjm6t4))から教えていただき追記させていただきました。ありがとうございました。

しかし、当時若手だったヘッドライターの井上敏樹の執筆本数がジェットマンは実はあまり多くないので(一部の設定編は他の脚本家が担当している)、レギュラーの登場人物の恋愛関係のドラマが話に絡まないか、わずかしか絡まない回が実際はかなり多く(本作ではレギュラーの恋愛関係のドラマは井上敏樹以外の脚本家は基本的に描かなかった)、それらの回は他の戦隊でやってそうな話が多いです。

 

※2022.08.12追記:白倉伸一郎PDやそのお気に入りの脚本家(井上敏樹小林靖子、他)は極端な価値相対主義や極端な個人主義に傾倒しています。彼らの価値観は進撃の巨人の作者とほぼ同じです。進撃の巨人は海外で批判されましたが同様の問題点を抱えるプロデューサーと脚本家です。

ジェットマンの最終回はレッドが最後に「全人類の…いや、俺たちの未来がが懸かってるんだ!」と言って人類のために戦うことを否定しているのも嫌ですね。この辺が作り手(主に脚本家)の極端な個人主義のスタンスがでておりジェットマンが支持できない部分です。

ドンブラザーズの主要スタッフ(プロデューサー、脚本家)は『仮面ライダー龍騎』と同じですが龍騎のドラマのテーマは「正義の反対は別の正義」というナチズムの元になったニーチェの思想にありドンブラザーズの場合は怪人が過去のヒーローである点にそれが現れています。

エーリッヒ・フロム『自由からの逃走』(東京創元社によれば、人間は他者の影響を受けた思想や感情などを、自分自身のものだと思い込むこともあるという。この例として新聞の影響をあげている。芸術作品に対する評価にも影響するそうです。『自由からの逃走』によると美術館に訪れた人間の美的判断を分析すると有名な画家の絵を美しいという人の判断を分析すると実はその絵に対してなんの特別な内的反応は感じておらず、その絵を美しいと考える理由は、その絵が一般に美しいものとされているからだそうです(『自由からの逃走』p211) 

ジェットマンはメイン監督の雨宮慶太が出版業界と繋がりが深く、そのためか本放送中から普段戦隊シリーズを取り上げない当時の『宇宙船』や模型雑誌『B-CULB』といった特撮マニア向けの雑誌でも久々に取り上げられ井上敏樹のインタビューも掲載されました。

なので特撮マニアの間でこの2人の名前が知名度をあげ特撮マニアが先入観的にこの2人の作品を高く評価するようになりそれが現在まで続いていると思います。これは前掲の『自由からの逃走』に書かれたような、他者からの影響を自分の判断と思いこむ現象と思います。 

補足ですが当時『宇宙船』は戦隊シリーズは本放送中は新番組の告知記事が小さく掲載されて終わりなのが普通でした。今では考えられない状況ですが『宇宙船』が放送中の戦隊シリーズを常にとりあげるようになったのはタイムレンジャーの後半からです。

90年代までの東映特撮の制作を統括した東映副社長の渡邊亮徳も当時のテレビ特撮について「大人をもうならせる要素を入れながら子どもがよろこぶ、そんな作品を作っていかなければならない」と語っています(講談社仮面ライダーBLACK RX スペシャル3D映画 仮面ライダー世界に駆ける』渡邊亮徳氏インタビュー記事より)

哲学者の内田樹が「人間は所詮色と欲」というシニカルさは民主主義を機能不全にするといっているが(2022.8.25のTwitterより)井上敏樹の作品はそういうシニカルな価値観を試聴者に植え付けようという作品が多い。ジェットマンのブラックの性格にそれが表れています。

ジェットマンは『東京ラブストーリー』という、
当時日本で大変人気があった漫画、テレビドラマが元になっている(悪く言えば『東京ラブストーリー』を無許可で盗用した)作品といえると思います。
凱(ブラックコンドル)が織田裕二、香(ホワイトスワン)が鈴木保奈美とすると『東京ラブストーリー』にかなり似ているといえます(ブラックコンドル返信前の俳優は、織田裕二に雰囲気の似た俳優ということでキャスティングされたと思えます)。
最終回で3年後に結婚式、というのも『東京ラブストーリー』に似てますね。せめて1年後、2年後などにすればいいのに、3年後という年数も同じとなれば偶然とはいえないでしょう。

*本記事は、以前投稿したものを資料面を増補し、より読みやすく整理して再投稿したものです。

上原正三氏、矢島信男氏が死去

今年に入って、上原正三氏が亡くなりました。
謹んでお悔やみを申します。

昨年11月末には矢島信男氏も亡くなりました。
謹んでお悔やみを申します。

上原正三氏が亡くなられたニュースは、
ネットニュースでかなり扱いが大きく、
やはり手がけた作品の膨大さや質が、
多くの人に評価されていたことをものがたるものでしょう。

矢島信男氏も亡くなり、今年は東映80年代特撮作品世代の
我々からしても馴染みのある方の訃報が相次ぎ残念です。
矢島信男氏も、かなりネット上では追悼コメントが多かったです。
上原氏同様、手がけた作品の膨大さや質が
多くの人に評価された結果と思います。
新聞では写真付きでした。

上原正三氏の訃報を受けて、
ネット上では帰ってきたウルトラマン
怪獣使いと少年』の再評価も高まっていますが、
ちょうど、訃報のニュースが出た前日に、奇遇にも
『巨獣特捜ジャスピオン』の北米版ブルーレイを入手し、
3話『守れ!銀河少年の夢』を見返していましたが、
この回は、かなり話のアイデアとしては、
怪獣使いと少年がベースになっていますね。

ココ少年が佐久間良少年、ナマゲラスがメイツ星人兼ムルチ、
ナマゲラスを危険視して殺処分しようとするシティ側が
メイツ星人をいじめる市民という形で対応しています。
(この『ジャスピオン』3話は矢島信男氏の特撮もすごいです)

今のところネット上では『怪獣使いと少年』を、
かつて切通理作氏がやったような
ニーチェニヒリズムの作品
(「世の中善も悪もない」というような)として
曲解した解釈が広まることはないようで安心しています。
(何度も書いてますが、あの回でメイツ星人をいじめているのは、
主に不良の三人組ですからね。)
あくまで差別、偏見を批判した作品として評価するべきです。

上原正三氏が亡くなる少し前の年末の時期に、
映画『テッド・バンディ』の監督の、
アメリカでは個人の自由が社会よりも優先されるべきだと信じている人が多いため、
個人の自由に抑制が効かなくなり、
社会的意識よりも優先されて犯罪を犯す原因になる」
というコメントが発表され、大手マスコミの記事で取り上げられました。
(該当箇所は下記のアドレスから読めます)
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/69316?page=4


日本の場合、知識人が、ニーチェの思想は
個人の自由を社会より優先させることで、
犯罪を肯定する思想である、と解釈して、
この解釈を広める場合が多いので、
この点については問題に思います。

この件については、前回の日記で触れているので、
そちらも合わせてお読みください。

wandaba2019.hatenablog.com

生前、上原正三氏がマイナビニュースでのインタビューで、
「子どもが内に秘めているエネルギーは、大人を凌駕するほど膨大です。
そんな子どもたちが「自分もあの人のようになりたい」と思わせるほどの魅力が、ヒーローには必要なんです。」
と言われていたのもよかったです。

上原氏の手がけた作品は、アニメでも特撮でもヒーロー路線のものが大半ですが、
そういった作品すべての総括的なコメントのように思いました。
https://news.mynavi.jp/article/20191208-934907/3

また、映画『テッド・バンディ』は、
犯罪者を主人公にしている映画ですが、
犯罪者を主人公にしながら、主人公を批判的に描いていて、
人間性の怖さを告発する内容ですが、
このように、本来、犯罪者を主人公にした映画というのは、
犯罪者を主人公にしたからといって、
犯罪を肯定しているわけではなく、
批判的に描くために主人公にするということもあり得るのです。

しかし、なぜか90年代以降の日本国内の映画批評は、
こういう視点がないまま、犯罪者を主人公にした映画は、
即、犯罪を肯定する映画として曲解して評価し、
ニーチェ的な犯罪の肯定論と結びつけたのは
未だに問題があったと思います。

上原氏が東映ヒーロー作品(アニメも含む)で書いた、
悪役が権力闘争をやって自滅するストーリーも、
悪役が主役になるからということで、
犯罪を肯定する作品として曲解されて
ニーチェ的な犯罪の肯定論の作品として解釈されたのが不幸でした。

また、上原正三氏が企画からかかわった作品
宇宙刑事メタルヒーロー、グレンダイザーなど)は、
主人公やヒロインの故郷が敵に侵略されて滅ぼされた
という設定が多いですが、
これは、大和民族による琉球王国侵略をイメージしているといわれています。

 

注)『巨獣特捜ジャスピオン』は、上原正三氏が企画から参加して
メインライターを務めた作品で、ブラジルでは社会現象になる
大ヒット作になった作品として有名です。

*ジャスピオンについてより詳しく書いた過去の記事です。

『手をつなぐ全銀河の人類たち』(2008-08-16)

wandaba2019.hatenablog.com

『ジャスピオンがブラジルで大人気』(2008-08-13)

wandaba2019.hatenablog.com

 

*テッドバンディは、犯罪者を主人公にしながら、犯罪を否定している映画と
述べましたが、このことに関連した過去の日記です。

wandaba2019.hatenablog.com

【重要】「個人の自由の行き過ぎ」が犯罪の原因になる

久しぶりの更新です。

実在した連続殺人鬼を描いた
映画『テッド・バンディ』の監督
ジョー・バリンジャーの
現代ビジネスのインタビューの記事
『連続殺人鬼に「アメリカの白人男性」が多い理由 
話題作『テッド・バンディ』監督が語る』(2019.12,20)
によると、
アメリカ人は、個人の自由が社会よりも優先されるべきだと信じている人が多いため、
個人の自由に抑制が効かなくなり、社会的意識よりも優先されて殺人が増える、
というコメントをしています。

以下、記事本文からの抜粋です。
「バリンジャー監督:基本的にアメリカ人は、個人の自由が社会よりも優先されるべきだと信じているんです。そういった社会では個人の自由に抑制が効かなくなり、社会的意識よりも優先され、自由を暴力や犯罪のために利用しようとする輩がでてくるんですよ。テッド・バンディがよい例です。」
(該当箇所は下記のアドレスから読めます)
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/69316?page=4

 

このことは、長年、私がHP『ワンダバステーション』で訴えていたことですね。
やっと、アメリカの著名人から
「個人の自由の行き過ぎ」という殺人事件の動機の分析が出ました。
そして、それが、日本の大手マスコミの記事になったことも重要です。

日本で90年代から、少年犯罪が増えた理由もこれでしょう。
やはり、90年代あたりから、
日本で少年犯罪が増えた理由は、
日本の大手マスコミでニューアカデミズムのブームが起こり、
極端な個人主義を唱える
フランス現代思想構造主義)やニーチェの思想が
大手マスコミでブームになり、それが一般大衆の、
子どもでも知っている常識というところまで
浸透したことによって、衝動的な殺人事件が
若年層にまで起こったというのが原因としか思えません。

参照:『ワンダバステーション』内、
ニーチェと少年犯罪についての一考察』
http://wandaba.html.xdomain.jp/niitye.html

 

また、近年日本で起こっている、
大人による、理由の不可解な通り魔的な殺人事件の原因も、
この極端な個人主義の浸透によるものと思います。

 

(下記 2020/1/2 加筆)

バリンジャー監督のインタビューの中に出てくる、
アメリカの高い犯罪率は銃規制問題が一番の原因だと思います。銃の所持を認める合衆国憲法修正第2条は“個人の自由”だと信じている人が多いから。」
という言葉は、何を意味するというかということも
述べておきます。

アメリカの合衆国憲法の修正第2条は、
「規律ある民兵は自由な国家の安全にとって必要であるから、人民が武器を保有し、また携帯する権利は、これを侵してはならない。」
というものなのですが、

これを「アメリカ国民一人ひとりが、銃を所持する権利である」と解釈するのが、
アメリカの保守の立場で、
この解釈に則って、アメリカの保守派は銃規制に反対します。

この合衆国憲法の修正第2条を、
州兵の設立のみを意味しているとの解釈で
国民一人ひとりが銃を所持することに反対し、
銃を規制するべきと主張するのがリベラル派ということになります。

合衆国憲法の修正第2条を
「国民一人ひとりが、銃を所持する権利」と解釈するのは、
銃のような危険なものでも、
個人の自由(直接的には自衛する自由)のためには規制するべきではないという
リバタリアニズムに通じる極端な個人主義のスタンスを示すものである故、
先のバリンジャー監督の、合衆国憲法修正第2条を“個人の自由”とする解釈への批判は、
この法解釈に、リバタリアニズム的な極端な個人主義が根底にあることを指摘する発言といえます。

*テッドバンディは、犯罪者を主人公にしながら、犯罪を否定している映画なのです。
このことに関連した過去の日記です。

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(2021.11.3 追記)

個人の自由が社会よりも優先されるべき、という価値観は、
資本主義系の保守主義リバタリアニズムとその最も過激なバージョンである
シュティルナー主義に通じ、シュティルナー主義は、
フランスで1913年にボノ団という強盗団を生むきっかけになりました。
(『アナキズム2 運動編』97ページより)


個人の自由が社会よりも優先されるべき、となると
「力と力の抗争」という「世の中強いものが勝つだけ」
という価値観を肯定することになり、
優勝劣敗の資本主義の全面肯定、格差社会の肯定へと通じます。

* * *

本日記は、HP『ワンダバステーション』の『日記帳』に相当するものです。

HP『ワンダバステーション』のトップページはこちら↓
wandaba.html.xdomain.jp

 

就職氷河期世代の就労支援が本格化【暫定版】

なんと、数年ぶりの更新です。

政府が、バブル崩壊直後の就職氷河期世代の
就労支援をやっと本格化させる方針を打ち出しました。

『フリーター半減目指す 政府、就職氷河期世代を支援』(毎日新聞 2019年4月10日)
https://mainichi.jp/articles/20190410/k00/00m/020/228000c?fbclid=IwAR2HeKRqC3cewobmaHTlgLfVe6RSm7PWvZnvr1ZrSjOJHk6hShnfpZJpzU0

これも、親サイト『ワンダバステーション』を立ち上げた時から
ずっと言ってる事ですね。

こういうことをもっと早くやっていれば、
秋葉原事件は起きませんでした。

あまりに遅い対応という感が否めないですが、
これが遅れたのも、いわゆるニューアカデミズム(フランス現代思想)の流行を受けて、
日本の大手マスコミに登場する知識人たちが、
国(あるいは地方自治体)による就労支援や
所得の再分配が必要という、本来のリベラルの思想に、
懐疑主義で難癖をつけ続けてきたのも一因かと思います。

今回、安倍政権下で行われると発表された事が不幸といえば不幸です。
また、日本国内の知識人たちが「就労支援を国や自治体がやるのは保守」とか
変な勘違いが広がらないことを祈ります。

ちなみに、親『ワンダバステーション』は、ジオシティ閉鎖に伴い、
アドレスを変更しました。

*第二期ウルトラシリーズ研究HP『ワンダバステーション』
http://wandaba.html.xdomain.jp

 * * *
トランプが大統領選に勝って、アメリカの著名俳優や著名アーティストが
強い反発をしていますが、この理由が今の日本の大手マスコミではいまひとつ理解されていない感じがあります。

これは日本の大手マスコミの人間たちが、アメリカの保守とリベラルというものがよくわかっていない
(保守が資本主義で、リベラルが社会民主主義福祉国家)というのがわかっていない、
保守思想のリバタリアニズムを未だにリベラリズムだと誤解している)ということを物語っているでしょう。

このことについて書いている自分のブログの記事です。
未読の方は是非お読みください。
*「トランプ大統領誕生とアメリカの保守主義(暫定版)」(2016/11/12)

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 * * *
日本でのイジメの原因は、内向的な人をいじめる流行がずっと続いたことが原因と思われます。
詳細は下記のリンク先のブログの記事をどうぞ。
*ブログ「ワンダばステーション日記帳」内「いじめの原因も内向型人間への差別」
http://blogs.yahoo.co.jp/wandaba_station/65631325.html

wandaba2019.hatenablog.com

 

シン・ゴジラがキネマ旬報ベストテン2位!(と『流星人間ゾーン』レビュー)

キネマ旬報のベストテンに、シン・ゴジラが2位になりました。脚本賞として庵野秀明が受賞しました。
これは大変喜ばしいことです。
庵野秀明スタジオカラーという会社を立ち上げていて、
このスタジオカラーでは、これから特撮アーカイブという
日本特撮のミニチュアや着ぐるみなどを保存する事業をやるそうです。
庵野秀明が館長として開催された特撮博物館の成功から、いい状況になりました。
大いに期待致します。

さて前回に引き続き、アメリカ大統領選でのトランプ大統領の勝利についてのことについて
書き足らなかったことがあったので書きます。
大方のアメリカの著名アーティストやアメコミ関係者はトランプが大統領になったことに猛反発していますが、
その一方で、実はクリントイーストウッドはトランプを支持しています。

その理由は、「ポリティカルコレクトネス
(人種・宗教・性別などの違いによる偏見・差別を含まない、中立的な表現や用語を用いること)
にとらわれ過ぎていて、軟弱な時代になった」
「内心ではみんなポリティカルコレクトネスに媚びるのはうんざりしている」
ということであるそうです。

*参照:クリント・イーストウッドがトランプ氏支持(ハフィントンポスト 2016年08月05日)
http://www.huffingtonpost.jp/2016/08/05/-clint-eastwood-donald-trump_n_11345598.html

クリント・イーストウッド共和党支持者(つまり保守)でリバタリアンなのですが、
副島隆彦『世界覇権国アメリカを動かす政治家と知識人たち』などを参照)
その共和党支持者の保守派のクリント・イーストウッドがトランプを支持し、
その理由は、ポリティカルコレクトネス、つまり差別表現の自主規制に対してうんざりしたからなのです。

このイーストウッドの差別表現の自主規制への反発に近いことは、
実は90年代以降から現在までの日本の大手マスコミの文化人や関係者も
よく言っていたことだったりします。

差別表現の自主規制への反発について、大手マスコミは今でも、
あたかもそれを主張することがリベラルであるかのように言いますが、
実際は逆であり、トランプとトランプを支持する層の言い分にかなり近いということです。
このことを、大手マスコミの人間たちは強く意識する必要があると思います。
思えば、日本の映像関係者も、
近年、この手のことはよく言っていたのではないでしょうか。

このあたりが、日本の大手マスコミの人間たちの多くが、
リバタリアニズムリベラリズムと誤解していることがわかる部分でしょう。
(ただリバタリアニズムは人種差別は否定するスタンスの人もいるのですが、それでも基本的にあくまで権利の平等を保障するようにいうのみであり、結果の平等までは保障しません。
また、基本的に経済活動にせよ表現にせよ人為的な規制は避けて、成り行きに任せるという考え方です。これはリバタリアニズム及び資本主義の保守の考え方で共通する部分です)
今の世界情勢は、混沌の時代というより、反動主義の時代といったほうがよさそうです。

クリント・イーストウッドの映画と政治的スタンスについて触れた過去の日記です

wandaba2019.hatenablog.com


そういえばシン・ゴジラのヒットの相乗効果なのでしょうか、
流星人間ゾーンのDVDも最近、安い値段でバラで再販されて、
やっと落ち着いて観れる状況になりました。
そういえば、流星人間ゾーン関係のものも特撮博物館にありましたね。

以前も、DVDボックスで発売されたものがバラで安い値段で出たことがあり、
その時に少し見たのですが、その後高額プレミアがついて、
レンタルしているところもなく、なかなか見る機会がなかったので久々に買ってみました。

5巻目に収録されている、小栗康平の撮った2本がすごい不思議な味わいですね。
特に21話の「無敵!ゴジラ大暴れ」は、割と普通の話しながらも、
いろいろと前衛的な工夫をしているのが面白いです。
この脚本で普通はこんな演出は思いつかないでしょうね。
冒頭で、ゴジラとゾーンが特訓するのも語り草になってますね。

流星人間ゾーンは雰囲気的にはタロウとジャンボーグAを混ぜた雰囲気のように思えます。
(タロウ、ジャンボーグAに比べてドラマ性は強くないですが)

話によってはかなりハードな回もありますね。
ガイガンのでてくる話は、剛たつひとがゲストなんですが、
剛たつひとが演じる佐々木という人物が、
防人光が新型エンジンの車のテストドライバーに選ばれたことを
妬んで、ガロガに魂を売ってしまうというところ
(ガロガに操られたのではなく、妬みからガロガに本当に協力してしまう)
や、佐々木が改心してガロガに反逆するものの、
ほとんと犬死でガロガに射殺されるところとかかなりハードですね。
東映スパイダーマンあたりであってもおかしくない話のように思います。
最後に、人間の欲望にガロガがつけ込んだ、というセリフがあったり、
テーマ的にはウルトラマンエースの4話に近いです。

特撮もかなり質が高く、福田純の本編の演出も凝っていて、
結構見ごたえがあります。

(後日加筆修正 21.09.03)

流星人間ゾーンに本多猪四郎が初参加した
3話の「たたけ!ガロガの地底基地」も好きですね。
ゲストの科学者の一家の奥さんが「夫が仕事仕事でつまらない」
といって夫への不満から家出しているというのが子ども番組としては異色ですね。

こういう話は、大概、科学者の息子か娘が
父が研究熱心で家に帰ってこないということを寂しがっているというドラマが多いのですが、
シャリバンの3話あたりが代表的でしょうか)
このゾーン3話は、夫が仕事で家に帰ってこないことに
奥さんが不満を持って家出してしまっている
(夫婦仲が悪くなって別居)のです。
こういう夫婦関係は普通子ども番組ではあまり描かないドラマですね。

この科学者の息子はどちらかというと、
家に帰ってこない父より家を出て行った母の方を恨んでいて、
母が趣味で作っていたという紙の日本人形の首を
ふてくされながら、もぎ取ったりしてるというのがちょっとエグいです。

最後は、ゾーンマザー(お母さん)が奥さんを説得して連れ戻してきて、
夫婦は仲直りして終わり、という結末で、
一応、この夫婦の離婚の危機のドラマを決着をつけています。

武末勝という人の脚本ですが子ども番組をあまり書いていない人なので、
子ども番組であまりやってなかった展開を
無意識に書いてしまっているという感じで面白いですね。

この回は前述の通り本多猪四郎の初参加の回でもあって
ガロガの異次元空間の基地の描写が
真っ暗な空間にスポットライトで人物が照らされているという
工夫が結構シュールで面白いです。
(近い演出を怪獣大戦争でもやっていましたね)

川北紘一の初参加の回でもあり、
異次元ネットというガロガが使う兵器を光学合成を多用して描いていて
いかにも合成が好きといわれる川北紘一らしさを感じる特撮でした。


ガロボーグの回は、脚本が福田純で、監督が本多猪四郎、というすごい組み合わせの回でした。
ゾーンの本多猪四郎の演出は中盤から人物の会話の場面ではズームを多用するようになり、
この回もその特徴が見られます。

13話のガロボーグの回は、福田純が自分で脚本を書いた回で
同時期の仮面ライダーの脚本の
伊上勝の脚本っぽい駆け引きの工夫が楽しく、これはこれでよくやっていると思います。
(爆弾が仕込まれているというケーキを防人光が造成地に捨てに行くが、捨てた直後すぐに爆発せず、
一瞬爆弾ではなかったかと思わせておいて時間差で爆発するところや、
エンジェルが敵の罠にかかったふりをして敵を追跡しようとした時に
ゾボットを落として連絡がつかなくなってしまう、等)
思えば、福田純ゴジラ映画はそう言った駆け引きの面白さが重視されており、
ゴジラ対メカゴジラがそれに当たりますね。

ゾーンの中盤以降の本多猪四郎の演出の格闘シーンでは、
手持ちカメラを多用するという、それまでの本多猪四郎の演出では
あまり見られなかった試みが見られます。
こういった試みはガロボーグの回でもみられます。

本多猪四郎のゾーンでの人物の会話の場面のズームの多用は、
劇場映画での本多猪四郎は、会話している人物へカメラをクレーンで寄ったり引いたり、
という演出をよくやるのですが、このころのテレビではクレーンを使った撮影は
できなかったようで、おそらく、そう言ったクレーン撮影の代用としてズームを使っていた感じがあります。

ガロボーグの回は、最後にゾーンファイターがワキで木をこすって静電気を起こすのが語り草になってますね。
この場面は今見てもギャグとしてかなり笑えます。
(特撮監督が田淵吉男なので、田淵吉男が台本に手を加えて撮った可能性が高いです)

特典で、ゾーンファイターのスーツアクターの久須美譲と
怪獣(恐獣)のスーツアクターの図師勲のインタビューもあって、
ゾーンの前の円谷作品や、当時のことを結構覚えていて楽しめました。

流星人間ゾーンではキングギドラも出ていて前後編で描かれますが、
この前後編もキングギドラがかなり強敵として描かれていてテンションの高い回でしたね。
ガロガがキングギドラを使って破壊しようとするのが
大気汚染を防ぐために研究された装置で、このあたりは公害問題が背景にありますし、
キングギドラを倒すのにゾーンファミリーはかなり苦戦し、
ゾーンファミリーが故郷の星に帰るためのパンドラカプセルという宇宙船を
使用せざるをえなくなり、ファミリーが悩むというドラマがあります。

この時、ゾーングレート(おじいちゃん)が、
「もうわしらは地球の人間なんじゃ」というところがなかなか泣けます。

ものすごく深読みすれば、この作品は東宝特撮としては
日本沈没の公開直前(製作中)の作品ですので、これを日本沈没と結びつけて、
この回のゾーンファミリーは、
日本を失った後の、その後の日本人の姿、とか言ってみても面白いかもわかりません。

そういえば、流星人間ゾーンの1話は、
ゾーンファミリーと一緒に地球人の家族もガロガに捕まる、
という話なのですが、
その時にその地球人の一家が
「私たちはこの人たちとは関係ありません。助けてください。」といって
ゾーンファミリーを見捨てて命乞いをするのですが、
この展開はシルバー仮面の4話に近いものがあると言えますね。
最後にこの家族は、この時の言動を反省して終わるのですが、
一応、このあたりがドラマのテーマといえそうです。

2話は、ゾーンジュニアの同級生の友達が、
ゾーンジュニアを狙ったガロガの手違いで失明してしまい、
その友達を救うために自分の角膜を移植するように
ゾーンジュニアが願い出るという話で、
ピースランド星人であるゾーンファミリーは、
角膜を取っても一週間で再生するという設定が出てきて、このあたりはSF的でいいですね。
この失明したゾーンジュニアの同級生は、
ゾーンジュニアが地球に来てから初めて友達になった生徒とのことで、
宇宙人と地球人の交流というのが一応ドラマのテーマということがいえそうです。
(どちらかというとガロガとゾーンファミリーと謎の男(城タケル)の駆け引きが話の中心ではありますが)

4話はゴジラ初登場の回にしては、ゴジラが付け足し的に出てくるのが
ちょっと残念ですが、話自体は、ピースランド星にいた時のゾーンエンジェルの
幼なじみがガロガに寝返って、ゾーンファミリーを襲ってくるという話で、
レオのロンの回や、グレンダイザーあたりでもあった話で、
故郷を失ったというゾーンファミリーの設定を生かしたドラマ性のあるいい話ですね。

巨大トランプ型ロボット大暴れ

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トランプが大統領選で勝ったことによって、
アメリカではデモが暴動化したりと混乱が続いており、
多数の著名人もトランプを批判しています。

マーベルコミックの作家たちも、トランプ大統領の誕生には
批判的であり、早速マーベルコミックにトランプをモデルにした
ヴィラン(悪役キャラクター)を登場させたそうです。

*参考:『アメリカのスーパー・ヒーロー達はドナルド・トランプ当選をどう見るのか?』
https://oriver.style/cinema/trump-hero-react/

オバマ大統領が誕生したときは、かなり歓迎していたようですが、
トランプに対しては、マーベルコミックの作家たちは大変厳しい姿勢をとっています。

また、巨大トランプ型ロボットが登場して暴れるという
大変クオリティの高いCGの特撮動画もアップされて話題になっています。

*動画の直接のリンクです↓
https://www.youtube.com/watch?v=Q__bSi5rBlw

『oriver.cinema』という情報サイトでも記事になっています。
*参考:『D・トランプが操縦する巨大トランプ型ロボットがメキシコ国境に出現!?風刺満載の衝撃ショートフィルム『M.A.M.O.N.』のクオリティが凄まじい』(oriver.cinema)
https://oriver.style/cinema/manon/

この記事によると、この動画を作ったスタッフは、
「私たちの使命は、ギークな武器である映画、視覚効果、CGIを使って世界を変えることであり、
私たちのモットーは1度に1ピクセルずつ、世界をより良いものにすることである。」
というコメントを発表しています。

この巨大トランプ型ロボットが暴れる動画は、
ある意味、このサイトで擁護してきた
「テーマ主義」による特撮動画ということが言えますね。
トランプを批判することで「世界をより良いものにする」のが
この動画を作った人たちのテーマといえます。

前回の当ブログの記事『トランプ大統領誕生とアメリカの保守主義(暫定版)』(2016/11/12)

wandaba2019.hatenablog.comの補足ですが、前回の記事で書いたように、いうまでもなくトランプの政策は、
所得税最高税率を引き下げることを筆頭にした、
金持ち優遇の政策で、そういう意味では非常に「純粋な資本主義」を志向する共和党らしい政策と言えます。
(ただし、現在トランプはゲイ(同性愛者)に対してははっきりしない態度を取っており、
白人のLGBTのみ認めているという報道もあれば、次期副大統領候補に、
LGBTに批判的なマイク・ペンス氏を指名したという説もあり、はっきりしません。
続報を待ちたいと思います。)

トランプのこう言った金持ち優遇の政策政策については
下記のサイト『相続税理士相談カフェ』の記事が詳しいです。
*『アメリカ大統領選でトランプ氏が勝利!税制改革と世界・日本への影響』(相続税理士相談カフェ)

zeimo.jp



このサイトで書かれてある通り、
トランプ氏の政策は「最高税率を39.6%→25%に引き下げ」という富裕層優遇の政策です。

このサイトでは、
「(前略)ここまで見てくると、トランプ氏の税制改革は、低所得者層にはほとんど影響がなく、むしろ高所得者層の税金負担を大幅に軽減するものとなっています。それにも関わらず、低所得者層の支持を多く獲得したのは、ある意味、不思議な結果といえます。」と書いています。

確かに不思議に思えますが、それでも低所得者層がトランプを支持するのは、
このサイトでは何度も取り上げてきたアダム・スミスの「神のみえざる手」の論理を
トランプを支持した低所得者層は信じているからでしょう。
この「神のみえざる手」は、人々が自己利益の追求をして自由に競争したほうが
経済格差もちぢまる、という純粋な資本主義の考えかたの一つで、
日本では小泉総理の構造改革がこの考えかたでした
(利益を追求していれば自然と企業はサービスも良くなり経営状態も良くなる、という考えかたです)。

この「神のみえざる手」については、
副島隆彦の『世界覇権国アメリカを動かす政治家と知識人たち』(講談社)の346~347ページにも
少し説明がありますが、なぜか「神のみえざる手」を「神のみえざる子」と誤植しています。

また、副島氏による『ハリウッド映画で読む世界覇権国アメリカ(下)』(講談社)の204~206ページにも
「神のみえざる手」についての記述があり、
これには誤植はなく『世界覇権国アメリカを動かす政治家と知識人たち』より若干詳しくかかれてあります。
(ただし副島隆彦の本は、著者の副島氏がリバタリアンなので、
リバタリアンののスタンスで書かれているので注意が必要です)

町山智浩越智道雄オバマ・ショック』(集英社新書)のp20でも
「神のみえざる手」について触れられています。
こちらはリベラルの視点で書かれてあり、
こちらの本の方が薄くて読み易いのでオススメです。

この、町山智浩越智道雄オバマ・ショック』は
日本で誤解されていることの多いアメリカの保守とリベラルの本来の性質を説明しながら、
2008年のアメリカのサブプライムローンの破綻による金融不安から、
オバマ大統領の誕生までを解説した本ですが、
やや話は逸れますが、スーザン・ケイン『内向型人間の時代』(講談社)によると、
サブプライムローンの破綻は
外交型の投資家たちの強気な投資が原因ということが書かれていました。

『内向型人間の時代』によれば、
進化論的にも「内向性は人類のためになるために生き残ってきたはず(p22)」とし、
その上で、2008年のウォール街の大暴落(サブプライムローンの破綻)
は、押しの強い外向型の投資家たちが発言力を持ったのが原因、と分析されています(p207~210)。
そして内向型の投資家は、その慎重さ故に2008年の暴落以降でも損することなく、
逆に利益を得ていたそうです(p222~226)。

こういう説があると、進化論的にも内向的な性格は、本来は優秀な種の1つと言えると思うのですが、
これを否定して、内向型の人間をバカにする流行を仕掛けずつけた日本の大手マスコミと、
その影響を受けた大衆は、日本を危険な方向に導いているのかもしれません。

この『内向型人間の時代』によると、スピルバーグ(p9)やアインシュタイン(p216)
も内向的だったとあります。

 * * *
日本でのイジメの原因は、内向的な人をいじめる流行がずっと続いたことが原因と思われます。
詳細は下記のリンク先のブログの記事をどうぞ。
*ブログ「ワンダばステーション日記帳」内「いじめの原因も内向型人間への差別」
http://blogs.yahoo.co.jp/wandaba_station/65631325.html