いじめの原因も内向型人間への差別

自分は思うのですが、日本でイジメが多い原因というのは、
80年代以降、内向型の性格の人がネクラとよばれて
マスコミで迫害され、
その流行がずっと現在まで、形をかえてつづいていることが原因とおもいます。

虐められっこというのは、内向型の性格の子どもであることがほとんどですが、
このことが、それを証明していることとおもいます。

内向型の人は、80年代はネクラといわれて迫害されましたが、
90年代には小心者という言葉にかわり、引き続き迫害され、
その後は「きもちわるい人」とか「コミュ障」といわれて、
現在も迫害されつづけています。

90年代あたりからの日本では、大手マスコミにでてくる有識者の意見に
内向型の人間を「自己愛的」などといって批判するものがおおいです。

しかし、本来、内向型というのは、人間の人格としてみとめられなくてはならないのです。
古くはユングも、『心理学的類型』や『タイプ論』といった著書で、
内向型の人間を「自己愛的」とする見解は根本的に間違っている、といっています。
(『心理学的類型』(中央公論)p124、『タイプ論』(みすず書房)p403)

最近、アメリカの本で『内向型人間の時代』(講談社)という本がでましたが、
この本では、内向型の人間の長所や、外向型の人間の短所がかかれている本で、
アメリカではベストセラーになりました。

内向型の人間のことを「ゲームやアニメの影響」などとする論調は最も間違っているものです。
ユングが著書でふれているぐらいですから、
内向型の人間というのは、大昔から世界中にいたのです。

『内向型人間の時代』でば、内向型の性格というのは、脳の組織によって生まれもってきまっている、ということが、科学的なデータをもとに語られています(148~150、204~208ページ
ユングも『タイプ論』で「内向的な性格は遺伝的なもの」という見解をしめしております(p405)。

内向型の人間を迫害する流行に歯止めをかけるよう、
大手マスコミに働きかけないかぎり、
イジメはなくならないとおもいます。
自分のこの意見が、そういった動きを生むことを期待いたします。