日本社会のみ「内向的な人が楽でない社会」になった

そういえば、内向的な人について、
ある大手メディア系のニュースサイトで以下のような的外れの分析がのっていました。

『誰もが孤立し「ぼっち」になる社会 東大・玄田教授が持論
「社会のあり方が楽でない方向に変わった」』
https://news.careerconnection.jp/?p=10752

この記事での、玄田教授による
「人と交わるのが苦しい人は「家業を手伝えば良かった」と指摘。しかし高度成長を経て、皆に「サラリーマンとして働く」ことが求められ、内向的な人にとっては「社会のあり方が楽でない方向」に変わってしまった。」
というのはトンチンカンな分析ですね。

内向的な人が迫害されて生き辛くなったのは80年代からで、
それ以前は内向的な人は別段迫害されたりしていませんでした。
高度成長というのは60年代の話ですから
全然時期がずれています。

社会が「内向的な人が楽でない方向」になったのは、
日本で内向型の人が「ネクラ」「きもちわるい」と罵倒されるためですね。

また海外では内向的な人は日本ほど生きづらくないということも
『内向型人間の時代』や『内向型を強みにする』といった本をよむとわかります。
近年の日本固有の現象です。

このことについて詳しくふれた過去のブログの記事です。
『引きこもりが多いのも内向型人間への差別が原因』
http://blogs.yahoo.co.jp/wandaba_station/65118695.html

 * * *

アメリカでも3分の1は内向型と
『内向型人間の時代 社会を変える静かな人の力』(6ページ)と
『内向型を強みにする』(12ページ)で指摘されてます。

上記の2冊の本では、内向型の人というのは、脳の働きが外向型の人と違い、
無理に外交的にふるまうのは事実上無理であるということが、
科学的なデータをもとに書かれています
(『内向型人間の時代 社会を変える静かな人の力』148~150、204~208ページ、
『内向型を強みにする』62ページ~)。

日本では、ながらく内向型の性格は一種の病気であるという認識が定着してますが、
これは誤解です。

このことについて触れた過去の日記です。未読の方はどうぞ。
「生きづらさの原因は内向型人間への差別では」
http://blogs.yahoo.co.jp/wandaba_station/65007306.html
「内向型人間への差別は自殺増加の原因では」
http://blogs.yahoo.co.jp/wandaba_station/64986789.html
非モテ問題も内向型人間への差別が原因」
http://blogs.yahoo.co.jp/wandaba_station/65024420.html