JFKとベトナム戦争

さて、またもケネディ暗殺についての話です。前の日記では落合信彦の本の引用で、ベトナム戦争軍産複合体の利益追求によるものだと語りましたが、落合信彦の本だけではなんなので、『JFK ケネディ暗殺犯を追え』(ハヤカワ文庫)にあるベトナム戦争についての記述も引用してみようとおもいます。

この本の巻末には上智短大助教授の土田宏による解説がありますが、このなかで、ケネディベトナムへの軍事介入を拒んだためにCIAとマフィアによって暗殺されたとあります。ベトナム戦争への介入の動機ですが、当初CIAとマフィアはキューバへの侵攻を望んでいましたが、ケネディは人道的な理由からキューバ侵攻を中止しました。ケネディの後釜のジョンソン大統領もキューバ侵攻をみとめませんでしたが、それは人道的な理由よりも打算的な理由だったようで、これがベトナムの軍事介入へとつながっていきます。

「新大統領に立てられたジョンソンもキューバ侵攻は認めなかった。キューバへのソ連の介入が余りにも大きすぎたからだ。とすれば、ジョンソンとしてはキューバの代わりになるものを、キューバ侵攻で利益を得るはずの人たち(軍産複合体とよばれたもの)に与える必要があった。それがヴェトナムだった。ヴェトナムへの介入を強化することで軍の一部は満足する。そして、そこに麻薬を持ち込むことで、キューバのカジノから得た利益以上のものを得ることができ、マフィアたちも満足する、と考えることも可能だろう。」(483ページ)

このように、土田氏もやはりヴェトナム戦争軍産複合体の利益のための戦争だったとしています。しかもマフィアも深く関わっており、マフィアの利益も見込んだものだったとはおどろきです。
また、『JFK ケネディ暗殺犯を追え』の本文には、著者のジム・ギャリソン本人によってベトナム戦争アメリカがかかわる経緯がつづられています。

そこには「第二次大戦終結以来、アメリカの冷戦支持派の立場は、いかなる理由であれアメリカはヴェトナムとその貴重な天然資源を手放すことはできないというものだった。」(272ページ)という記述があり、これによると、アメリカがヴェトナムにこだわった理由はベトナムの天然資源(たしか鉱物資源と天然ガスと石油だったかな?ほかにもあるかも)による利益があったようです。

こうみると、今のアメリカの中東への侵攻は、基本的にベトナム戦争への軍事介入とあまりかわりないようにおもえますねえ。ベトナム戦争ベトナムの天然資源と軍産複合体の利益のための戦争ですが、今の中東への侵攻も中東の石油と軍産複合体の利益を追求するための戦争であり共通点があるとおもいます。