鳩山政権ネガディブキャンペーン

以前から、このサイトでは、格差是正のために、所得税の累進率の引き上げ(裕福層への増税)を訴えてきましたが、最近、民主党の鳩山政権が共産党の要請をうけて、やっと所得税の累進率の引き上げを検討しはじめました。
 
*以前の日記の、所得税の累進率引き上げの記事は、できるだけ多くの人に読んでいただきたいので、リンクしておきます。未読の方は必読!

2010/2/27『ついに裕福層増税への動きが!』
http://blogs.yahoo.co.jp/wandaba_station/60975082.html
2010/3/2『理想の最高税率とは』
http://blogs.yahoo.co.jp/wandaba_station/60989175.html
2010/3/7『文化人の合法的脱税?』
http://blogs.yahoo.co.jp/wandaba_station/61008228.html
 
しかし、そういう動きがおこったと同時に、なぜか鳩山政権の支持率低下の記事が大新聞に載ったりするのはタイミングよすぎて(そもそもこういう世論調査って、どこまで信憑性があるんだろう?)マスコミが鳩山政権つぶしにかかっているようにおもえてしまいます。
やはりマスコミは裕福な人間がおおいため、自分たちへ課せられる税金が高くなることをいやがって、鳩山政権のネガティブキャンペーンをやってつぶそうと動きだしたんでしょうか?
(蛇足ですがアエラも、もののみごとに転向してておどろきでした。北欧の福祉国家の成功をオミットしたうえで、フランスのミッテランの転向を見習えといいだして、竹中平蔵が「まともな人」あつかいでインタビューにでてくるのは異常事態です。)
 
また知識人たちも、左翼を自称しながらも最高税率をあげることについてだれも言及しないのはおかしい話です。本来なら、左翼を自称するならば、今回の鳩山政権の裕福層増税を積極的に支持する表明をしなくてはいけません。
 
以前日記でふれたイギリス在住のMさん(日本人ですがイギリス人と結婚して、イギリスに長期滞在)とお会いした際に、日本の知識人は社会保障を充実させろといいながら、同時に増税に反対する、ということを話すと、Mさんは「それはありえない」と批判していました。
 
いまだに、日本の裕福層は、自分の稼いだ金が見ず知らずの人間たちのためにつかわれるということに、なぜか抵抗を感じているようですね。このように、裕福な人間が見ず知らずの人間たちにお金を分け与えて奉仕する、つまり人類愛の価値観なくして、社会保障の充実は成立しえないのです。
 
所得税の累進率は80年代になるまで、実はかなり高かったのです。最高税率は75パーセントもありました。それがなぜか80年代から段階的にさげられ、現在は40パーセントです(ちなみに最高税率があがれば累進率が上がったことになります。最高税率についての詳しい説明は、上記リンクにある過去の日記、2010/3/2『理想の最高税率とは』を読んでください。)。
 
話かわって、今回のゴセイジャーですが、もう見るのやめようかなあと思える話でしたね。前回と間逆の話になってしまってました。まあ、どうせこうなるだろうと予測してたので「これで日曜朝は早起きしなくてすむぞ」と思うだけですね(笑)。
 
本来、共産主義と、それに通じる思想(社会主義リベラリズム)というのは、土地というのは「誰のものでもない」と極力考えるようにするのが基本です。土地の個人所有というものは財産であり、格差をうむ元凶だからです(農作物を生産する農地ならなおのことです。豊作になった農地でできた余剰作物というものをどうするか?ということから貨幣が生じたのです。)
さらにいえば、この「土地の個人所有」というのは、領土というものの考え方の大元だからです。
 
近年のドイツでは貧しい青年が空きビル(東西ドイツ統一の際の混乱によって、ドイツには空きビルがたくさんある)を不法占拠しているのですが、ドイツでこういうことが起こるのも、この「土地は本来個人所有してはいけないもの」という考え方が根底にあるからといわれています。
 
なので、「自分の知り合いの畑だけは守る」とか、そういうことをいったら問題ですよ。もう分かっててあえてやってきたような感じさえありますが、知り合いの畑だけ独占的に守る、といったらほかの農地はどうなっちゃうんでしょうか。そうなれば、ほかの農家との農作物の収穫量の格差が起こってしまいます(よその農家の畑が砂漠になってしまうわけだから、そもそも全く作物がとれなくなるわけであって格差どころの話ではない)。
 
農家のおじいちゃんが奥さんと畑をつくったという話はいいんですが、どうせなら、この農家のおじいちゃんは「大地へ思いいれのある市民の代表」という扱いにとどめて、「この大地にはいろんな人たちの思いがこもっているだから、守らなくちゃいけない」というふうにブラックにいわせるべきじゃなかったのかなあ(あえてそういう風にしなかったんでしょうけど)。これでは先週「いらない人間はいない」って言ったことと完全に矛盾しますね。
 
ここでこういう批判を書くと、番組スタッフは2ちゃん経由でこのサイト見てるみたいだから、また仕返ししてくるでしょうね。ちなみに、昨年もそういうことがありました。詳細は2009/5/24『来週のシンケンジャーについて』http://blogs.yahoo.co.jp/wandaba_station/59477341.html)参照。
おもえば、今回のゴセイジャーも、去年のシンケンジャーのひきこもり怪人の回も脚本は大和屋暁ですか・・筆者がこのサイトで何度も批判している日本映画界の「個人主義を左翼とまちがえてできた変な流れ(吉本隆明を左翼思想家と間違えて崇拝している映像作家たちによる)」にどっぷり染まった人であることは間違いない作家ですね。