文化人の合法的脱税?

さて、またも前回の日記からひきつづき、所得税最高税率の引き上げについての話題です。

*未読の方はどうぞ
2010/3/2『ついに裕福層増税への動きが!』
http://blogs.yahoo.co.jp/wandaba_station/60989175.html

ほんとうは前回の日記でふれておくべきだったのですが、先月の24日に政府税調専門家委がスタートし、所得税最高税率の引き上げが検討されはじめました。

*『消費税が主要テーマ、政府税調専門家委スタート』
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20100224-OYT1T01254.htm
(なぜか消費税のことがタイトルになってますが、内容は所得税の話が中心です。)

しかし、またも気になるのが、こういう動きがあるのにもかかわらず、このニュース自体が扱いが小さいし、また、左翼を自称する文化人たちが、このことをぜんぜん話題にしないことですね。

週刊金曜日』でも、この話題はオミットされています。今でている号だと、オバマがアフガンに増兵したことを強調して、オバマネガティブキャンペーンのようなことをはじめましたが(筆者はもちろんアフガン増兵には反対ですが)、オバマが裕福層へ増税をしようとしているので、オバマの評判を落とそうということなんでしょうかね。
この『週刊金曜日』では、オバマをたたいてケネディを持ち上げていますが、ケネディの時代でも最高税率は70パーセント台だったんですよ。

参考資料として、税理士の吉越勝之氏のHPの「税制改革による強力な経済成長と財政再建」をみてみましょう。
*税理士 吉越勝之氏のHP「税制改革による強力な経済成長と財政再建
http://www6.ocn.ne.jp/~mirai/betsu.htm

このページの「別表2-先  アメリカ」という表をみればわかりますが、アメリカではルーズベルト大統領のときに最高税率が90パーセント台になって、そのあと、ジョンソン大統領の時代に70パーセント台になっています。まず、重要なのは、ルーズベルトの時代には最高税率が90パーセントあったという事実です。

これがジョンソン大統領の時代に70パーセント台になっていますが、これはケネディが生前に所得税減税を含んだ税制改革を提案しており、これが暗殺されたあとに議会を通過したということで、事実上ケネディ最高税率を90パーセントから70パーセント台に下げたということになります。

しかし、下げたといっても70パーセント台ですからねえ。今の日本にくらべればぜんぜん高いんですよ。こういうことがわからないまま、幸福実現党は「ケネディ所得税減税をやって景気を回復させました(だから今の日本ももっと所得税をさげましょう)」とか言いまくっているのが不思議ですね(笑)。
さらにいえば、この減税は大して効果がなかったというのが大方の見方なのですが…。

ちなみに、この問題についてふれているHPとして、『Wave of sound の研究日誌』の「経済成長と減税を可能にする魔法の税制---累進所得税」もリンクしておきます。
http://waveofsound.air-nifty.com/blog/2008/07/post_1fea.html

この「経済成長と減税を可能にする魔法の税制---累進所得税」にも、アメリカでケネディがおこなった所得税減税について
所得税最高税率は70%台に引き下げられましたが、それは景気浮揚につながりませんでした。逆に1980年代以降、共和党政権下での最高税率引き下げ(70%→50%→30%)にともなって、景気が悪化する(失業率が上昇する)傾向が顕著にみられます。」
とあり、最高税率引き下げは、かえって経済をダメにするということが書かれています。

また、今年は公設派遣村ができて、年末年始に国が失業者の支援をやりましたが、アメリカでは1939年から国が食糧配給制度をおこなっていて、これはケネディ政権のときに本格的に実施されたそうです。
また、日本でも実は1981年まで、食料配給制度があったそうで、これもあまり知られてませんねえ(日本のは筆者も知らなかった。)

*このことについてふれているブログです。
『静かなる革命2009』の「ケネディ政権のときに本格実践された食糧配給制フードスタンププログラム)は公民権運動の成果でもある」(2006/8/11)
http://exodus.exblog.jp/3973285

さて、話は変わりまくって、今日のゴセイジャーですが、今回もとくに変なぶち壊しもなくて楽しめました。カードゲームの販売機(じゃなかったっけ?)がそのままロボットに変形するアイデアには驚愕しました。顔はちゃんと液晶パネルが入っているなんてすごい着ぐるみだなあ。ドラマはいい話なんだけど、ピンクの歌がなぜ怪人の歌に勝ったのかがよくわからないのが難点というか。「愛の歌が死の歌に勝った」とか、そういう台詞なりナレーションなりがあってもよかったようにおもうんですけど。「とにかくやってみよう」のほうを強調したかったのかな?