カルヴァン派プロテスタントとブッシュ

さて、このサイトではアメリカの保守主義ブッシュ政権イデオロギーカルヴァン派プロテスタントであるということについてずっとふれていますが、ブッシュ本人がカルヴァン主義者であるということが書かれてある文献をみつけました。

栗林輝夫の『ブッシュの「神」と「神の国アメリカ』(日本キリスト教団出版局)という本の10ページによると「ブッシュは自身のキリスト教を、内面の豊かさや敬虔を大切にするウェスレー神学の枠から、いっそう黙示録的で戦闘的なカルヴァン神学へと転じた。イエス・キリストの人格的応答から、神の特別な「予定」、神の主権に獲得されたアメリカの「選び」の信仰へと大きく変えた」とあります。

この記述をよむと、ブッシュ本人も当然ではありますが、やはりカルヴァン主義者だったということがわかります。
(ウェスレーは18世紀の英国国教会キリスト教司祭で、プロテスタントメソジスト派を起こした神学者。筆者もあまりくわしくしらないので自分で調べてね)。

また、ブッシュ政権の支持層であることで有名な福音派のクリスチャンも、この本によるとやはりカルヴァン主義者なんだそうです。この本の16ページの「福音派」というコラムによると福音派は「プロテスタント原理である聖書の権威、信仰義認を中心にすえ、歴史的にはその多くがカルヴァン主義に起源をもつ。」とあります。

この本は2003年にでた本なのですが、ブッシュがカルヴァン主義であること、またカルヴァン主義がどういう教えかをメインカルチャーの出版マスコミがぜんぜん紹介しないで、ブッシュが熱心なクリスチャンであるということをやたらに紹介したことから、弱者をかばうのはブッシュ政権イデオロギーに通じるとでもいうような誤解が日本国内の世論に定着、それをもとに『女王の教室』のような競争原理を称揚するドラマなどが作られ人気になってしまい、結局、解散総選挙において自民党が圧勝し郵政民営化という結果を招いたのではないでしょうか。