なんでまた株、株、株なのか?

さて、ホリエモン事件でこりたかとおもったら、またもや出版マスコミは株式投資を勧める記事のオンパレードになってしまいました。これはいったいどういうことなのか。

週刊SPAは、先週の「ヘタレ男最弱伝説」という特集で、内向的な人を内向的なままモテの次元へ引き上げようというような、今までのSPAでは考えられなかった特集を組んで期待させました。しかし今週号ではまた元に戻ってしまった感じで株の大特集をやっている。
「ヘタレ男最弱伝説」は記事の内容はいいのに、見出しのつけ方がひかっかるなあ。あの見出しではまた内向的な人を叩く記事だと、記事を読んでいない人は誤解するじゃないか。そもそも、あの特集でヘタレ男として紹介された人のなかには、社会不安障害の人もいたと思われるが、こういうことについての記述がまったくなかったのも問題でしょう。

横道にそれたけど、最近の出版マスコミが「貧乏な人は株をやればいいんだ」というようなことをいって生活苦の人に株式投資をすすめるのは、ブッシュ政権の年金政策に、どこか考え方が似ているなとおもえるのが不気味なんですよ。

ブッシュは、「労働者がソーシャル・セキュリティ(社会保障制度)にかかる税の一部を自分の個人口座に積み立て、株式や国債で運用すれば4~6%というハイ・リターンが期待できる」という案を提唱したそうです。
これは、平たくいうと、社会保障制度の民営化というべきもので、ようするに年金の一部を株式投資にあてさせるというもの。そうすれば国は年金を支払う額を安くできるという狙いがあるのです。本来は富裕層への減税を撤回すればこんなことをする必要はないと思われるのですが、それでも裕福層への減税を撤回しないで、こういう政策を打ち出してくるということは、事実上の年金のカットといえます。

国民の年金を株式市場に投入させ、株が上がれば夢のような大金を年金として受け取ることもできるというはかない夢をブッシュ政権は国民に信じ込ませようとしているが、それは自分の年金でバクチをするに等しく、とても社会保障とはいえないものでしょう。

最近、出版マスコミがやたらに株式投資の特集をくむのは、こういうブッシュ政権イデオロギーに加担しているようにしかみえないのです。表面上はブッシュ政権を批判しておきながら、実はブッシュ政権の政策と変わらないものを市民に勧めているのはどういうことなのか??

週刊SPAの今週号の株式特集には、なぜがベルリンの壁を壊す市民の写真が使われていますが、これは「社会保障を重視していたら日本も東ドイツ北朝鮮みたいな変な国になる」とでもいいたげなんでしょうかねえ。

社会保障を重視している国が、みんな北朝鮮のような独裁国家になっているわけではないんですけどねえ。スウェーデンデンマークは高福祉国家でありながら独裁国家にはなっておらず、厳しい管理社会でもなく、いまだに経済成長を続けている国なのです。最近の出版マスコミはこういうことを知らないのか、それとも知っててわざと触れないのか? これらのことにふれたのは日本版ニューズウィーク2006年1月25日号だけですねえ。
スウェーデンはまったく問題を抱えていないことはないが、国家が破綻するほどの問題でもないし、過去に2度の不況を経験しながらも、高福祉というスタンスを変えずに不況から立ち直った)

…最後に、先週の日曜はリュウケンドーボウケンジャー、ライダーカブトと3つとも見たが、どれも結構よかったです。リュウケンドーはカメラワークがすごかった。ボウケンジャー個人主義への批判を正面からやってて安心(ドラマ的にはボウケンジャーが一番よかった)カブトは、数年ぶりにみた平成ライダーだけど、やっとマトモな方向に軌道を変えてくれたと喜ぶべきなのか?めずらしく久々に抵抗なくみれましたが、これからが心配…。