オバマ大統領が裕福層増税へ

さて、今週は注目すべきニュースがありました。それは、オバマ大統領が裕福層への増税にのりだしたことです。

米大統領、富裕層増税へ=国民皆保険に向け資金捻出(2月26日 時事通信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090226-00000072-jij-int

こういうことからっても、やはり裕福層に増税するのがリベラル派のスタンスだということがわかります。もともと社会主義共産主義)というのは、所得格差をなくすことですから、所得格差を極力へらしていく(政府が意図的に)というのは社会主義的なことであって、それゆえにリベラル派は裕福層に増税するのが基本のスタンスなのです。

以前の日記では、こういうことをヒラリーがやるという予測を立てている評論家(副島隆彦)の意見をかきましたが、この予測がすこし外れたということでしょうか。やはりこういうことはオバマにやってもらわないと困るという感じなので安心しましたね。

いままで、なぜか日本国内の文化人たちは、こういう裕福層への増税を唱えることがなかったのが不思議ですよ。日本国内で大マスコミに登場する文化人は、みなリベラル派を自称するのにもかかわらず、なぜか裕福層への増税をほとんど口にしませんでした。

おもうに、これはこのサイトを立ち上げたときから何度か書いていることですが、大マスコミに登場する文化人たちは、自分たちが裕福層なので、自分たちに課せられる税金が高くなるのが嫌なので、裕福層への増税ということを口にしなかったのではないかとおもえてなりません。

今回オバマが裕福層への増税を行うということで、もう日本の文化人たちは、これ以上ごまかしきれなくなったとおもいましたね。しかし、それでも気になるのが、この「オバマが裕福層への増税をおこなう」というニュース自体が、なぜか非常に扱いが小さいということです。小さく扱って、目立たなくさせてごまかすというのが、大マスコミの新手の「税金ちょろまかし」作戦なんでしょうかね。そうなれば、このことを中心に断続的にこのサイトで取り上げていって、場合によっては市民団体などにも働きかけて「裕福層への増税を」という国内世論を盛り上げていくしかないでしょう。

それにしても、少々話しはそれますが、マスコミ業界の人間たちというのは、それだけで一般の仕事をしている人間より社会的ステイタスが高いということに対して、自覚があるのでしょうか? こういう問題はいわゆる「恋愛格差」の問題にも如実にあらわれます。

たとえば、女性に対し男性が自分の職業を説明するとき、「トヨタの工場で部品つくってます」「農家やってます」というのと「有名なマスコミの会社で働いている」というのとでは、それを聞いた女性のリアクションがぜんぜん違うということです。ようするに、マスコミの業界にいるということは、スタートラインで一般の男性より優位にいるのです。実際マスコミ業界の人間は一般人より「モテやすい」のは事実としてあるでしょう。

恋愛ブームというのも、そもそもマスコミ内部の人間が、簡単に恋愛できるため、そういうところから「一般人も恋愛しようとおもえば簡単に恋愛できるハズ」と単純に思いこんで、それゆえに「非モテの人間は自分から恋愛しようとしていない」などと思い込んでバカにし始めたという要因もあったとおもいます。

そういうことをいうと、「女性がかっこわるいと思えるような仕事につくからいけない」などとって反論する人もいるのかとおもいますが、本来は工場の工員や農業をやっている人間のほうが、直接人間の生活に必要なものをつくるという意味では、マスコミより生産性のある仕事であり、重要な仕事だとおもえるのです。
とくに、農業というのは、人間が生きていくのに必要な食品をつくる仕事なのであって、この農業がダメになったら、食料危機になって食品の価格は高騰します。

にもかかわらず、90年代の国内マスコミ(おもに「宝島」あたり)は、執拗に農業をバカにしつづけました。その結果、農家に嫁がこないということが社会問題化しましたが、国内マスコミはそれをさらにバカにしました。

映画『イージーライダー』では、主人公たちがたちよるヒッピーのコミューン(旅にでたあと、二軒目に寄るのがヒッピーのコミューンなんですよ。分かってみてましたか?)で、コミューンの人間たちが荒地に種を蒔いている場面がありました。ヒッピーたちも農業をやっていたわけですから、ある意味カウンターカルチャー的でもあるとすらいえるんですよ。
90年代のロックブームのときに、『イージーライダー』は話題になりましたが、このヒッピーのコミューンで農業をやっている場面があるにもかかわらず、90年代の日本マスコミは同時に農業をバカにしていたのだから不思議です。

ただし、今の貧困の問題について、「失業者を農業につければ解決する」という見方をしている文化人もいますが、これには筆者は懐疑的です。農業も最近は採算がとれなくて辞めていく人も多いという噂もきくからです。いい土地と技術がなければ農業だって成り立ちません。農業は農業でなかなか難しいものであって、そういう農業の人たちも貧困にならないようにセーフティーネットが必要とされるでしょう。そういうセーフティネットが農業にもなければ、農業への転職なんてする気になれない人が大半ですよ。

さて、話はかわって今日もシンケンジャーを一応みました。またいつ思想転向するかわからない状態ですが、今日のもけっこうよかったですね。「1人では勝てない」と悟るのが戦いが終わったあとの最後の最後という構成がいいですね。ただ、敵の攻撃をかわす時、通りすがりの車が大破していたようにみえたんですが、大丈夫だったんでしょうか?

補足:資本主義と社会主義の折衷的な「福祉国家」の成功例であるデンマークは、雇用政策が進んでいて、現在の日本の雇用問題の解決のヒントがあると思えます。デンマークの雇用政策をくわしく知りたい方は以下の日記をどうぞ。
『現実的な社会変革』(過去の記事です)
http://blogs.yahoo.co.jp/wandaba_station/55262715.html