またウルトラの話題じゃなくてすいません

最近『赤影』にはまっていると書きましたが、勢いで赤影の第四部、第二部、第一部もみてみました。第四部はシリーズ完結編なのですが、全四部の中でもっともマイナーな感じのあるシリーズなのはなぜなんでしょうかね。やはり『全怪獣怪人大百科』で怪獣とかキャラクターが全然紹介されなかったのも影響しているかとおもいますが、これが時代劇のパロディというような感じのギャグ編でけっこう面白かった。

思えば第二部も、かなりコメディ色が強くてこういうノリが行き着くところまでいったのが第四部なのではないかとおもいますね。第二部も面白いのですが、第二部は特撮技術面で失敗している部分がおおいようにおもえて、それが今ひとつ気に入らない部分です。赤影の特撮は着ぐるみ怪獣がでる場面ではけっこう手堅い特撮をやっているのですが、大まんじやコマ戦車などのメカ特撮になると、とたんにボロがでるという感じですね。ピアノ線が見えたり、メカのミニチュアの形状がサイズによって違いすぎたり、またピアノ線で吊るにしても飛ばし方が下手だったりして、今みるとちょっと残念です。

そうはいっても、DVDのきれいな画質でみると、赤影のメカ特撮は80年代の東映特撮の本編スタッフによる特撮ぐらいのレベルは維持している感じですね。つまり技術的には今ひとつですが、細かいカット割りや編集の妙で救われているという感じです。赤影は60年代の作品にしては実にカットが細かく、編集も巧みで、ズームもかなりつかっているし、アクションもちゃんとコマ落としをつかっててテンポがいいし、下手をすると70年代の東映(生田スタジオ作品)よりテンポがよかったりします(70年代の東映でもキカイダーと01は生田作品ではないので、アクションは今みてもそんなにテンポが悪くない‥セットのつくりは少々粗いけど)。
*後日追記(2006年9月18日)
70年代前半の東映生田スタジオ作品はセットの作りは今みても見事ですね(Xのキングダークの実物大セットに象徴されるように)。あと旧1号やV3の後半からX全般とアマゾン序盤は照明や撮影もこっています(たまにピントがボケてるカットがあったりしますが)ただ、アクションはコマ落しを使わないで撮っていることがおおいみたいですね。この時期のライダーのアクションがテンポが悪いと一部でいわれるのはこの辺が原因かとおもいます(スタントマンの動きがほかの同時期の作品より遅かったわけではないでしょう)。

第二部の評価が高いのは「怪獣が出ないからハードだ」みたいな評判が一時期ファンの間で高まったからようですが、実際は怪獣はでていることは出ているんですよね。大ムササビと針紋鬼が怪獣なのですが、大ムササビは着ぐるみではなかったので怪獣とは認知されず、針紋鬼もサブタイトルで怪獣とよんでいるように、製作者側としては怪獣のつもりだったようですが、役者の顔が露出する着ぐるみだったために、視聴者には怪獣としては認知されなかった。

内容的にはかなりコミカルで、しかも時代考証無視のSF的な小道具が多数登場し、そういう赤影のいい意味での暴走がおおいのも第二部ですが、こういう暴走はいわゆる「ハードで大人むけ」ということではないとおもえますね。
赤影は第二部から第四部にかけて、だんだん時代劇のパロディというような方向へと暴走しますが、ある意味「脱時代劇」とでもいうべきないようなのかもしれません。