ウルトラマンより「やさしさを失わないで…」

ツイッターウルトラマンのアカウントで、被災者の子どもを励ますメッセージをおくっているそうです。

ウルトラマンTwitterで「だいじょうぶ。きみのことは、ぼくや、みんながまもる」』
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110315-00000025-rbb-ent

ツイッターのアカウントは初代マン以外停止になっていますが、初代マンの言葉として、ウルトラマンAの最終回の台詞のようなものありますね。

「日本全国の皆さん。やさしさを失わないで下さい。弱い人をいたわり、互いに助け合い、許そうとする気持ち失わないで下さい。あなたが不安な時、きっと周りの人も不安なはずです。これが私達の願いです。私達も同じ気持ちで頑張ります。(ウルトラヒーロー&スタッフより)」

この台詞は、やっぱりA(ウルトラマンエース)の言葉にするべきなんじゃないでしょうかね。
ウルトラマンAツイッターアカウントは停止状態になっています。

この台詞は市川森一がプロデューサーに、しかられながら嫌々書いた台詞なのですが、その台詞がこういうときにつかわれるとはなんとも皮肉な話です。

弱いものをいたわる、という価値観を一時期、市川森一はシナリオ集『夢回路』でバカにしていました。しかし、弱者をいたわるという価値観こそが、リベラリズム社会主義に通じる価値観なのです。市川氏は、このことを理解できていないのでしょう。
弱者をいたわるという価値観がリベラリズム社会主義に通じる価値観であるということが理解できていないのは、市川氏に限ったことではなく、吉本隆明を中心とした、日本で大手マスコミに登場する文化人たちが、みな抱えている問題で、そういった文化人たちのリベラリズム社会主義に対する無理解が頂点にたっしたのが90年代のニューアカデミズムのブームです。
日本人は最近サンデル教授の番組や著書で、こういった国内の文化人たちのリベラリズム社会主義に対する無理解(誤解)に、やっと気づきました。

このサイトでは、サンデルの本や番組がブームになる何年もまえから、そういう日本の大手マスコミの文化人の無理解(誤解)を指摘してきました。以下はそのことについての最近の過去日記です。90年代のニューアカデミズムがいかに歪んだ流行だったかがわかります。このことについてふれた過去の日記のリンク集です。未読の方はどうぞ。

*『旧左翼と新左翼とは‐暫定版』
http://blogs.yahoo.co.jp/wandaba_station/58966536.html

サンデル教授が来日!
http://blogs.yahoo.co.jp/wandaba_station/61644671.html

ニューアカブームは壮大な「ソーカル事件
http://blogs.yahoo.co.jp/wandaba_station/61590440.html

『サンデルブームはまだつづく!』
http://blogs.yahoo.co.jp/wandaba_station/61713545.html

『「空気が読める」は集団主義か?』
http://blogs.yahoo.co.jp/wandaba_station/61483230.html

ロールズ『正義論』買いました(サンデルについてふれてますよ~)』
http://blogs.yahoo.co.jp/wandaba_station/62076497.html

 * * *
また、このサイトでは、秋葉原事件などで雇用問題がマスコミで大きくとりあげられる前から、この問題をあつかっていました。
筆者は数年前からこのサイトで、日本の貧困論壇はデンマークの雇用政策を見習ってほしい、という意見を繰り返しかきましたが、やっと国内の貧困論壇がデンマークについて研究し始めました。苦言をいわせてもらえば「おそすぎる」といいたくなりますが、ここは素直に評価しましょう。
日弁連デンマークの雇用政策のシンポジウムが1月14日に開かれます。
*日弁連公式サイトより『デンマークの積極的労働市場政策に学ぶ~日弁連デンマーク調査報告』
http://www.nichibenren.or.jp/ja/event/110114.html

ちなみに、本サイトでデンマークの雇用政策について触れた過去の日記です。
『現実的な社会変革』(2008/5/31)
http://blogs.yahoo.co.jp/wandaba_station/55262715.html
(この日記の前のでも『ニューズ・ウィーク日本版』2006年1月25日の40ページからのデンマークの記事についてふれたものがあったとおもいます。お手数ですが探してみてください。)